分かる人には、わかる。分からない人には、全く分からない内容になりますが、標記の内容をまとめましたので、アップすることに決めました。
REBTを学んでいらっしゃる方には、参考になると思います。
REBTの間違えやすいポイントとその解説
-
出来事を聴く
- …しっかりと、場面を四コマ漫画の一コマのように特定する。
- 例えば、そのことがあった時の事なのか、そのことのあった後に感じたことなのか。
-
感情
- …シートにあるいくつかの感情を必ず特定する。
- 感情と思考の区別をする。
例)「やってられないと思ったんですよ」は、思考。「鬱」は、感情。
サンプルとして、上がっている感情で大方事足ります。
- その後に二次感情を聴きます。二次感情とは、その出来事があって、その時に○○と言う(複数の)感情があるけれど、そういう感情を感じている自分に対する感情です。
- その上で必ず不適応の行動を聴きます。不適応の行動の中には、~してしまった。だけではなく~できなかったや身体症状(食欲が減った/眠れなかった/疲れ果ててしまった)も入ります。
- 私の場合は、ここまで持ってきたうえで、感情に点数をつけます。その後、各感情の関係を考えて、クライアントさんと話をし、その上で最終的には、クライアントさんに一つの感情を特定してもらうようにしています。
- ゴール
- 必ず心理面での目標と行動面の目標を作ります。
- 両方の目標とも具体的で○○な気持ちになりたい。○○出来るようになりたいという形式で特定します。○○にならない様にでは不十分です。
- この段階で、ここで設定した目標が、感情とつながっているかをチェックします。
- B-C関係を説明する。
- ここまで来たら、AC関係ではなく、BCの関係を説明します。つまり、出来事が感情を生むのではないというREBTの本質を説明するわけです。ビリーフ(考え方・思考・受け取り方)が、感情を決めるという関係をここで説明し納得を引き出すことで後の抵抗感を減少させることが出来ます。例を出すと良いです。
- IBを特定する。
- ~ねばならない~べきであるという事をクライアントさんに聞きながら特定します。決して、誘導、決めつけにならない様にクライアントさんが抱いているIBを引き出す気持ちで特定します。
- 必ず、派生迄出します。それが恐ろしいのか、それに耐えられないのか、それともそれは価値がないのかの三つの派生の内、必ず1つ~3つが派生に現れます。これが特定できて初めてイラショナルビリーフになるのです。
- 簡易に特定したのちに、状況を判断し、コアビリーフ迄特定できると判断したら、何故ならと問いかけてコアビリーフ迄特定します。コアビリーフは、抽象度が高くなります。例えば、「私は絶対に失敗してはならない。失敗した私には価値がない」と言うビリーフは、「無条件の自己受容」が出来ていない。事になりますから、「私には元々価値がない。だから絶対に失敗できない」と言う様なコアビリーフがベースにあると言う事になるのです。
- 但し、コアビリーフまで掘り下げるか否かの判断は、クライアントに任せます。お勧めはしても良いですが、強要はしてはいけません。
- ビリーフが出来上がるまでに何回も、ここは実感とずれいないかを確認します。
最終的に特定する時も、これで違うとか、しっくりいかない部分はありませんかと聞いて特定します。
- このプロセスでカウンセラーが大事にしなければならないのは、特定しているビリーフが感情とつながっているかを確認することです。具体的には、そのビリーフがどこに向かっているのか。「自分」か「相手」か「状況」なのか。又、そのビリーフを持っていると選定した感情が生まれるか、どうして生まれるかを考えます。自分自身が納得するまで、考えることが上達のコツです。
-
論駁。
- 論駁とは、IB(評価的認知)「~べきだ、ねば~価値がない・耐えられない・最悪で恐ろしい」に対して行うものです。ここは、間違ってはいけないところです。、推論的認知には論駁しません。つまり「あなたは、皆に嫌われていると言っていますが、そんなことはないのではないでしょうか」と言う論駁はしないのが、REBTの特徴です。
- 相手を否定するわけではありません。相手の考え方を一緒に確認するのですから正々堂々と論駁します。初めはなれないかも知れませんが、自分の実感に従って行います。それでもやりにくければ、誰でも自分でも気がつかないうちに持っているイラショナルビリーフはあります。それを一緒に検討していきます。これは、無自覚な考え方を検討するもので、○○さん自身を検討するものではありません等と付すとよいでしょう。
- 論駁が上手になるためには、一般意味論を学ぶと良いです。
- 抵抗感の少ない論駁は、今日設定したゴールに対して、IBは、役立つか。それともそれを邪魔するものかです。ここから入ることで、比較的スムーズに論駁を行うことが出来ます。
- その上で、ユーモア論駁、友達論駁などを使うと雰囲気が和らぎます。但し、相手との関係性を踏まえて使います。関係が浅いのに、ユーモア論駁を多用すると治療同盟を壊してしまうことがあります。
- その後、論理的か・・・筋道が通っていますか?現実的か?⇒観念のお化けが出てませんか?そう考えることは、現実的か等の論駁を必ず時間をかけて展開していきます。
- 最後に、どうでしょうか。このIBは、捨てた方が良いと考えられるようになりましたか。(私の場合は、「それでもこのビリーフは大事だから捨てないですよね」とか言ったりします。その方が、良い場合も多々あります。)
-
RBを作る。
- カウンセラーが一方的に作って押し付けてはいけません。
- カウンセラーが作った場合でも、違和感のあるところはありませんかと必ず確認して、クライアントが違和感を伝えやすいように工夫します。
- 形式は、IBを和らげるものにします。具体的には、絶対的要求を期待、希望、~だったら望ましいけれど、必ずしもそうなる訳ではない。しかしそれは、耐えられなくも、価値がいことでも、恐ろしいことでもない。(派生の否定)そして、このセッションで学んだことを聞いて、それらを盛り込んで作ります。原則的にIBをRBに変えるのです。
- クライアントが納得しているかを聞いて、確定します。
-
新たな感情と行動の確認
- RBを読み上げながら、出来事をあたかもカメラから覗き込むようにして、特定した感情を確認してもらいます。それで感情の数値が下がっていれば、REBTは、成功しています。
- 私の場合は、それに付随する感情も確認しますが、それは慣れてからでよいと思います。方向の違う感情は、下がりません。例えば、自己嫌悪の感情をとり上げた時に、鬱の感情は下がりますが、怒りの感情は下がらないと言う事があります。
- そして、感情のボルテージが下がっていたら、少し感情のボルテージが下がりましたね。余裕が出たところでこれからどういう行動を取っていくかを考えましょう。どんな行動をしてみますかと問いかけて、新たな建設的な行動を特定します。
-
ゴールの達成度の確認
- それらが終わったら、ゴールが達成出来そうかと尋ねます。
- ここで実感が持てないと言う事が帰ってきても慌ててはいけません。まだ、実行していないのですから、実感が伴わないのは当然です。しかし、少しできそうだ位の解答で良しとします。当然、その説明は、行います。
-
宿題
-
REBTのセッションは、気づきを得る場です。しかし、逆に言えば、それは、気づくだけとも言えます。IBをRBに変えるには、クライアントさんの努力が必要です。それを考えると宿題の出し忘れは、致命的です。従って、十分になぜ宿題が必要なのかと説明をしたうえで、宿題を出します。宿題は、いくつかのパターン。行動的宿題、言い聞かせの宿題などがありますが、まずは、IBとRB を見比べて、やっぱりRBの方が良いと毎日定時、定期に実施することを決めるとよいでしょう。
-