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働く動機を変容する~同調化と文化の変容に向けて~

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経済的な理由で働く…、自己実現に向けて働く…。

経済的な理由で働くというのは、悪いことなのでしょうか…。

ドラッカーは、経済的な理由で働くことを悪いことだとは、言っていません。人間なのだから経済的理由で働くのは、当たり前の事で悪いと言う事はないと言っています。

しかし、それだけでは、強い組織を作ることは、出来ないでしょう。

出来れば、それだけの理由ではなく、内発的な動機づけで働く人が増えるようにマネジメントをする必要があると考えます。

日本は、同調圧力の高いと言われます。「世間様に顔向けできない」等と言う言葉がありますが、この言葉は、同調圧力の高さを示した言葉です。同調には、三つの段階があるとれています。

第一の同調は、「表面的な同調」です。とりあえず、あわせておけば安心と言う事で行うのが、表面的な同調です。その人は、ただ合わせているだけなので、その場を離れれば、その考えなどすっかり忘れてしまいます。

第二の同調は、「憧れによる同調」です。憧れの先輩、上司がそういうのだから自分もそうしたいと思って同調するのが、第二の同調です。表面的な同調よりは、強い動機がある訳ですが、憧れが消えた途端元に戻ってしまいます。

第三の同調は、「内面化」です。これは、その考え方などを自分の中に取り入れ、それが信念となった同調です。この同調は自分のものになったのですから、変わることはないと言う事になります。

経済的な動機づけ…これは、人間が本来持っている動機づけで、本能的な動機です。

自己実現的な動機づけで仕事するためには、ある考え方をその人が受け入れて、内面化をする必要があると言う事がいえるのではないでしょうか。

しかし、人間の様々な動機は、適切なものも、不適切なものも、含めて、その人の認知的体験によってできています。つまり、様々経験の中で、その時々の、対応やその対応の根底にある考え方によって形成されると言う事になります。

例えば、それは、誰かから何らかの指摘を受けた時、これは、良い考え方だからと取り入れようと考える人も居れば、防衛機制が働き、とりあえずあいつの言う事に対して受け入れたふりはするが、あいつと同じようなレベルにならない様にするためだと考える人も居る訳です。その指摘をした人の意図とは、全く関係なく、自分の捉え方で、人はものごとをとらえるのです。それ故にそのようなことを理解しつつ、出来るだけ丁寧に、コミュニケーションを図る必要があると言う事になります。

つまり必要なのは、相手を理解する事です。

その上で、フラットに伝えられる環境=心理的な安全性のある環境を作る事、そして、その上で対話を通じて、それらの考え方を浸透させるのではなく、理解してもらう事が大切になる訳です。そのような努力を通じて、「内面化」を図ることが必要なります。

社風を変えよう。企業文化を変えようと言う事は、時間がかかることではありますが、しかし、このような不断の努力を重ねれば、3~5年くらいで、段々と文化の変容が図られます。

自己実現、自分がそこにいる組織、共同体の為に働こう…。そうした動機によって、働く人が増えてくるわけです。ポイントは、浸透させようではなく、まず他者を理解しようと言う事です。

その様なことに留意することで、その人に考えていただくことで、初めて、自律性を持った内発的動機によって仕事をする人が増えるのです。魔法の杖はありません。換言すれば、人間同士の真摯な対話によってはじめて実現できることなのです。

 

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