ドラッカーマネジメントを実践する会

OODAループセミナーのテキストをまとめました。

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昨日、7月の後半に仙台で行われるOODAループのセミナーのテキストを作成しました。

OODAループは、アメリカの軍人故ジョンボイド氏が提唱した理論です。

OODAループは意思決定理論です。これは、ボイド氏自身が経験した朝鮮戦争の航空戦についての洞察を基盤にして、指揮官のあるべき意思決定プロセスを分かりやすく理論化したものです。観察(Observe)- 適応(Orient)- 決定(Decide)- 行動(Act)のサイクルを繰り返して、精度の高い意思決定を実現する仮説検証のプロセスです。

PDCAとOODAループは、代替可能なマネジメントサイクルと考えられがちですが、必ずしも、そう考えることは、適切ではありません。

PDCAが悪いと言う事でもありません。PDCAのマネジメントサイクルは、答えが見えていることには極めて有効です。例えば、品質管理などでは、大きな力を発揮します。

しかし、答えの見えていない事…例えばコロナウィルスに対する対策等は、PDCAは有効ではありません。

何故なら、PDCAには、以下のようなデメリットがあります。

  1. 計画形成に時間がかかりすぎる

  2. 中央集権的である。(プラン・チェックは管理者、ドゥ・アクションは現場と言う形になりやすい)

  3. 硬直的である。(計画に従って、計画通りに物事を進めなくてはならないと思いがちである。)

それに対して、OODAループは、現場の人が自らまずは、事象を観察(Observe)します。そして、観察したうえで、環境に適応するには、どうしたら良いだろうかと仮説を立てます。(Orient)その上で、全体としての意思決定が必要であれば、正式に意思決定(Decide)をしますが、そこまで大きな意思決定が必要ないと考えられるときは、実行(Act)します。更に、実行した結果を観察して(Observe)…とループを回すわけです。

今回のコロナウィルスの対策でニュージーランドのアンダーソン首相は、まだ、感染者が少ない時期に方針を一夜にして転換して、外国人の渡航を一切禁止して、様々な施策を打ったことが話題になっていますが、これは、まさにOODAループ的と言えるわけです。

上記のPDCAと比較するうえで、OODAループの特徴をまとめますと…。

  1. 計画に時間をかけ過ぎず、方向性のみを定めて観察→適応→行動を繰り返す。

  2. 現場主導型である⇒自律性が尊重される。

  3. 柔軟である⇒OODAは、常に外部・内部環境を観察します。

 

そして、このOODAループを実現しようと、当然、現場に権限委譲が必要になる訳です。逆に言えば、権限委譲なしにOODAループを回そうとしても、それは、放任主義に陥ってしまうと言う事になります。⇒つまり、人材育成が前提となるし、マネジメント思想の転換が求められるわけです。

次回は、OODAループを支える前提を書いていきます。

弊事務所は、6/27(土)にzoomでOODAループの研修を無料で実施する予定です。対象は、溝井と面識のある方に限りますが、ご関心のある方は、以下からお申込み下さい。お申し込みの際には、業種名・会社名・役職・連絡先電話番号・受講の動機をお書きいただきます様お願い申し上げます。時間は、10時~5時です。

お申し込み先 問い合わせページ 

 

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